はじめに
2018年の年末に、アデノウイルスに感染しました。
初めてかかったウイルスだったのですが、年が明けて2019年。1か月経とうとしている今も完全には治っていません。
アデノウイルスが原因で、はやり目(流行性結膜炎)という病気を発症したのですが、今回はこの病気について症状から治療に至るまでの流れについて、体験談を紹介します。
アデノウイルスって何?
特徴と症状
アデノウイルスとはどのようなウイルスなのでしょうか?
アデノウイルスとは、呼吸器、目、腸、泌尿器などに感染症を起こす原因ウイルスです。1953年に発見されました。51の型に分類され、病気と関係が深いのは1~8型です。多くの型があるため、免疫がつきにくく、何回もかかることがあります。
出典:感染対策コンシェルジュ
よくインフルエンザウイルスのA型とかB型とか聞きますが、アデノウイルスも同じ様に型があります。
型の種類は、なんと50種類以上も!
その型によって起きる症状やかかる病気も様々です。
例を挙げると…
呼吸器感染症、咽頭結膜熱(プール熱)、流⾏性⾓結膜炎、胃腸炎、出⾎性膀胱炎、肺炎、閉塞性細気管支炎、心筋炎、急性下痢(きゅうせいげり)、腸重積(ちょうじゅうせき)、脳脊髄炎(のうせきずいえん)、ライ症候群
ざっと挙げただけでも多くあります。
アデノウイルスは他のウイルスに比べあまり聞きなれないですが、まれな病気ではなく、子供から大人まで多くの人がかかるウイルスで、日頃から注意が必要です。
感染方法
毎年耳にするインフルエンザは空気感染しますが、アデノウイルスは空気感染はせず、同じものを触ったり、同じタオルを使って目をこすったりすることで、感染します。また、くしゃみによる飛沫感染もあります。
インフルエンザと同じくらい感染力が高く、潜伏期間が1週間と長いため、気づかない内に家族や近しい人に感染してしまうことが少なくありません。
はやり目(流行性角結膜炎)って何?
特徴と症状
アデノウイルスに感染し発症した病気がはやり目(流行性角結膜炎)です。
夏に流行することが多いのですが、私のように夏以外に発症することもあります。
一般的な症状としては、目やにが多く出る、充血する、症状が重い場合は黒目(角膜)に傷がつく、傷跡が残り角膜混濁になる、まぶたの裏側に炎症の白い膜(偽膜)ができる等が挙げられます。
はやり目(流行性角結膜炎)は、伝染の恐れがなくなるまで登校禁止となるほど感染力の高い病気です。
体験談:感染から治療に至るまでの経緯
ここからは私の体験談を紹介していきたいと思います。
アデノウイルスの感染経路
先に子供から感染・発症
私がアデノウイルスにかかる前、先に子供が感染していました。子供が発症したのは、はやり目(流行性角結膜炎)です。
子供は一日だけ高熱が出て、翌日からは目が真っ赤に充血しまぶたが腫れあがるという症状でした。常に涙目で、目やにがどんどん出てきます。
翌日以降は熱が下がっていたので、病院に連れていき診察してもらいました。処方されたのは主に抗菌の目薬でした。
けっこう厄介なことに、アデノウイルスによる感染は特効薬はありません。
二次感染を防ぐために抗菌するも、あとは自然に治るのを待つしかないとのことです。
そのため、子供も1週間くらいは目が腫れ、最終的に目の充血が引いたのも2週間の時間を要しました。
子供からアデノウイルスに感染!はやり目を発症
子供の治療が終えようとする中、次は私の目が真っ赤になりまぶたが腫れ上がってきました。
熱はなかったものの、子供がかかっていたので、これは間違いなくアデノウイルスに感染したと思いました。
よくよく思い返すと、日頃から一緒に遊んだりお風呂に入ったりする中で、自然とウイルスが広まったと考えられます。
通院せずに様子見。目やに・腫れとの闘い。
アデノウイルスへの感染、はやり目(流行性角結膜炎)の発症を確信しましたが、子供の治療の経験から特効薬がないという知識を得ていたので、病院へは行かず自然治癒を行いました。
目の充血や腫れもありましたし、目やにの発生もすごい。。朝起きたらまぶたを開くことができないくらい目やにがこびりついていました。
ですが、完治の目安は2週間。
1週間もすれば目の充血や腫れが引き、だいぶましになるだろう。この時は高を括っていました。
はやり目の症状が悪化!目の痛みもあり辛い。。
目安の1週間が立ちました。まぶたの腫れは治まってきたものの、まだ充血が引きません。
子供はすっかり完治していたので、処方されたけど使っていない新品の目薬を使ってみたりもしました。
あと1週間経たないと、ウイルスも完全には死滅してくれないし、しっかり食事で栄養を摂って、たっぷり睡眠を摂れば大丈夫だろう。とやはり楽観的に考えていました。
でも現実は違いました。。
期待も虚しく、症状は悪化。目の痛みを発症しました。
仕事中、パソコンを見ると目が痛む。スマホを見ても目が痛む。夜の就寝時間に目をつぶっていても目が痛む。。こればかりは本当に苦痛でした。
ググってみると、はやり目(流行性結膜炎)の影響や後遺症として角膜混濁(角膜に傷がついて白く濁る)があるということで、しかも長ければ半年や1年も引きずる。。これはヤバいところまで来てしまったと、ようやく病院に行くことを決意しました。
病院で治療
ウイルス検査を実施。陰性!?
最寄りの眼科を訪ねました。
人が多く診察までに時間がかかりそうでしたが、アデノウイルスの可能性がある旨を受付の女性に伝えると、すぐに所定の場所へ案内され、ウイルス検査を行いました。
アデノウイルスは人に感染する恐れがあるため、陽性が出ると隔離されるようです。
当然、陽性となるだろうと思っていましたが、結果は陰性。あれ?違う?別の病気なのか?と思いましたが考えてもわからないので、診察まで呼ばれるのを待ちます。
診察で角膜混濁との説明。簡単な治療も実施。
痛みをこらえながら、ようやく診察の順番がやってきました。
おそらく子供のウイルスが感染して、、症状はこのような形で、、など経緯を伝えた後、目の状態を機械を使いチェックしました。
発症してから2週間近く経っていたこともあり、アデノウイルスのチェックは陰性となったものの、おそらくかかっていただろうとのこと。その影響で角膜混濁が起きている。運が良いことに傷や濁りが目の周辺にある。中心にあると視力が低下してしまうが、周辺なので視力に直接大きな影響を与えていない。
という説明でした。
説明の後「ちょっと目を掃除しましょう。」
先生が言うと、点眼タイプの麻酔が用意され、目に差しました。
すかさず綿棒のようなものでゴリゴリと目をこすり始めました。
上を向け、下を向けなど指示されながら従いますが、これが無茶苦茶痛い。。麻酔の効き目も実感できないまま目をこすり続けられます。なかなか終わらないまま、痛いので涙がボロボロと落ちていきます。
治療直後。吐き気・めまいを発症しダウン
麻酔の影響か、あまりにも痛くて身体全身が拒否反応を起こしたのか 、治療が終わった途端、先生の前で吐き気を起こし、一気に気分が悪くなりました。
すぐにソファに寝かされ、血圧を測られ、しばらく横になって休みました。
目は痛いし、気分も悪い。。とんでもない所に来てしまったと思いつつ、回復した後に看護師さんから処方箋についての説明を受け、会計を終わらせます。
1週間後の予約も入れ、病院を出ました。
もらった薬はこちらです。
目の傷を修復する目薬と、抗菌関係の目薬・塗り薬です。
無事に治りますように。。
角膜混濁は治療後の痛みが最強にヤバい!
完治を祈るも、ここからが一番の山場でした。
車を運転できない程の痛み
病院を出るも、麻酔が切れたのか目に激痛が走ります。目を開けるのもできないくらいの痛さです。目をつぶって痛みが引くのを待ちますが全く引きません。
処方箋を近くの薬局に取りに行きましたが、とにかく目を開けるのが苦痛なので、薬剤師の方の顔もほとんど見れませんでした。
車で来院していたのですが、目を開けることができないので運転できる状況じゃありません。薬をもらって車に乗ると、しばらく車で安静にして休むことにしました。
1時間以上は休みました。一向に痛みは引きません。痛みに耐え涙もどれだけ流したことか。。
結局のところ、最終的には自分で運転して帰ることができないので、家族に迎えに来てもらって帰宅しました。
生きてるだけで辛い程の痛み
翌日からも、目が痛すぎて何もすることができません。目をまともに開けられないので、普段の生活すらままならない状況です。
幸いにも、病院に行ったのが金曜日で翌日から休み。しかも3連休なのでゆっくりできます。翌日はもうほとんど寝たきり状態で過ごしました。
3日間、痛みとの闘いでしたが、3日目にようやく目を開けていられるくらいに回復してくれました。
痛み以外にも症状はある
辛い症状は痛みだけじゃありません。角膜に傷がついているので、太陽光や家の照明がひどく眩しく感じます。普段は何も感じない柔らかな照明でさえ目を開けることが辛いほどの眩しさです。
何なら、寝室で照明を消して真っ暗なはずなのに、わずかに入ってくる外の光を眩しく感じることもありました。
車を運転する時はサングラスがないと眩しくて目を開けていられません。サングラスをしていても眩しく感じます。
眩しいことは、痛みの次に厄介な症状でした。
痛みの原因は何だったのか?
1週間後、再び病院を訪れました。経過観察です。
治療後、とにかく痛くてたまらなかったんだ!と先生に訴えました。
先生からは「角膜を削って綺麗にしたからね。本当にお疲れ様でした。」とのこと。
え?削ってたの?ちょっと掃除しただけじゃなかったのかい?
と思ったのですが、角膜混濁により白く濁った箇所を削る治療をしていたようです。
車で来院したと伝えていたのに荒い治療をしやがって…など思うこともありますが、無事に回復に向かっていると知り、感謝です。
角膜混濁の場合、このような痛みを経験する可能性もあるので、本当に怖いなと実感しました。二度と受けたくない治療と痛みです。
後遺症の角膜混濁。完治まで長く厄介
治療から1か月
治療から1か月経ちましたが、まだ完治していません。
痛みはとっくに引いているのですが、視界がまだぼやけ続けています。眩しさはありません。
普段の生活には全く支障がないのですが、本やスマホ、パソコン画面をじっと見つめるような場面では、視界がぼやけていることを感じさせます。
長い人だと数か月から数年続く人もいるという情報もあるので、気長に治療を続けるしかないようです。
病院を延期
通院しないといけないのですが、家庭や仕事の状況でタイミングが合わず、その後1か月、通院できていませんでした。
治療から2か月
通院を1か月延期して、2月に再び病院に行きました。
視界がぼやけているので、角膜混濁が治っていないだろうなと思いながら診察を受けました。
案の定、白い膜が残っており、治療を継続することとなりました。
今回処方されたのは2種類の目薬です。次の通院まで1か月、しっかりと点眼しています!
治療から3か月
3月に再び病院に行きました。
多少の白い膜が残っているものの、検査で感染前と同様の視力を取り戻したことを確認できました。先月処方された2種類の目薬を処方されました。今回の通院で終了です。
長い闘いがようやく終わりました!
最後に:アデノウイルスは流行したら厄介な病気
アデノウイルスはどんな症状を引き起こすか、人によって様々なのでとても厄介です。
おそらく他の症状もさぞ辛いことだと思います。
今の時期はインフルエンザも大流行しています。あらゆるウイルスに感染してしまわないよう、日頃からしっかり対策を取って過ごしましょう。
少しでもお役に立てば幸いです。