けいたろうの田舎暮らし

日々の体験談や思ったことを綴る、雑記ブログです。

さつまいも農家として起業・就農できるか ~植付けから収穫までの栽培日記からの考察~

はじめに

春から始めた市民農園で、さつまいもを栽培しました。

 

今回はさつまいもの栽培日記と、さつまいも農家として農業で収益を上げることについて考えてみました。

 

これまでに栽培した野菜の栽培記録はこちら。

 

 

さつまいもの栽培 

さつまいもの基本情報

ヒルガオ科サツマイモ属の植物です。甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)等とも呼ばれます。

 

品種も、紅あずま、鳴門金時、安納芋、紅はるか、シルクスイートと色々あります。

今回購入した品種、なんだったか実はあまり記憶にありません。ウイルスフリーだったことは覚えているのですが。。紅あずまだったような。。

 

 土づくり・肥料

畑全体を牛糞と鶏糞を混ぜて耕運しました。

さつまいもは水はけが良い土壌を好むため、高畝にしました。

 

また、地温を上げる、雑草を防ぐ、蔓はがしが簡単になる、ことを目的に黒マルチシートを張りました。100均で購入した愛用品の黒マルチシートです。

 

さつまいも苗の植付け

ホームセンターで購入した苗をすぐに植付けせず、植付け前の1週間、水に浸した新聞紙でくるんで保管していました。そうすることで、つるから根が出てきて、植え付けた時に活着しやすくなる為です。

 

さて、家で1週間保管した苗を持って畑へ向かいます。

 

芋は植付け方法によって、でき方が変わってきます。

 

芋の数が多くなる「水平植え」、根が活着しやすくなる「斜め植え」、芋の数は少ないが大きくなる「垂直植え」がありますが、農業初心者かつ初めての植付けできちんと根が活着するか心配だった為、「斜め植え」を選びました。

 

植付け後の写真がこちら。

 

人生初の作物植付けです。すくすく育ってくれ!と願います。

 

 

植付けから11日経ち、苗の様子を確認しに来たところ… 

葉っぱが枯れかけている苗を発見。。

 

さらには、

葉っぱが切れている苗も発見。。

 

きちんと育ってくれるのか心配なことばかりでしたが、枯れそうな葉っぱも元気を取り戻し、切れた茎からは葉っぱが再生し、すくすくとツルが育ってくれました。

 

植付けからちょうど1か月目。良い感じです。

 

肥料・追肥

さつまいもは痩せた土地でも十分に育ちます。

 

肥料を与えすぎると、ツルがみるみる成長し実の成長に影響を及ぼす「ツルぼけ」になってしまいます。ですので、追肥は全く行いませんでした。

 

コンパニオンプランツ

土作りの際はさつまいもに肥料はいらないということを全く知らず、牛糞と鶏糞の堆肥を混ぜ込みました。肥料過多になることが心配だったので、コンパニオンプランツとして赤しその種を撒きました。

 

赤しそは土から栄養を吸収してくれ、さつまいもに余分な栄養が行かないよう働いてくれる、さつまいもと相性の良い植物です。

 

畝のセンター1列にさつまいもを植え付けたので、両端に赤しその種を撒きました。

 

こちらの種です。

 

水やり

黒マルチシートにより乾燥防止効果があるので、積極的に水やりは行いませんでしたが、夏に限って、今年は酷暑続きで雨が少なかったので、他の作物を管理・収穫するため畑に来た時に水やりするようにしました。

 

収穫 

困ったこともなく、いよいよ収穫です。10月後半に収穫したかったのですが、忙しくて行けず…11月に入ってから収穫することになりました。

 

収穫前のつるの様子はこちら。

 

つる返しも定期的に行い、畝にも邪魔になるくらいふさふさと成長しました。

 

収穫した芋はというと…

 

 形は不揃いですが、ちゃんと育っていました!

 収穫が遅かったか、表面からひげが生えています。

 

収穫後は2~3日天日干し、その後新聞紙にくるんで2~3週間保管しました。

ふかし芋にして食べたところ、美味でした。合格です。

 

さつまいも農家になるには!?起業・就農したい方必見!

ここからはさつまいも農家について考察してみます。

 

さつまいもは栽培が簡単なのに高い

生まれて初めてさつまいもを栽培してみて、 思ったより簡単で手間もかからなかった。というのが率直な感想です。

 

 

手間がかからない割に、スーパーで売られているさつまいもって結構高いイメージです。さつまいもの横でトウモロコシも育てていましたが、間引き・水やり・追肥・脇芽取り・受粉・防鳥対策などをこまめにやらなければならず、トウモロコシの方がよっぽど手間がかかります。その割に、スーパーで売られている1本あたりの価格はさつまいもとそんなに変わりません。

 

さつまいも農家という選択肢

今なら、とうもろこし農家とさつまいも農家、どっちにないたいかと言われたら、さつまいも農家を選びます。

というかむしろ、さつまいも農家になりたいとまで思うようになりました。

 

普段働きづめの人は難しいかもしれませんが、休日や平日の朝や夕方に1時間でも2時間でも時間が取れる人であれば、会社員との副業や兼業もできるのではないでしょうか。

 

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、専業でさつまいも農家をされている人は多いものなのでしょうか。ハウス栽培で年中栽培するならまだしも、露地栽培であればやる仕事は短期集中的に限られているので、さつまいも栽培一本で生活できているとすれば、楽な仕事だなーとまで思ってしまいます。

 

さつまいもが高い理由は物流コスト!

さつまいもが高い理由って何だろう?と考えた時に、他の野菜と比べて重量があるからだ、と思いました。生産の手間がいくら少なくても物流コストがかかれば、その分価格に上乗せされます。

 

では、さつまいもはどこから運ばれてくるのでしょうか。

さつまいもの生産量ランキングは1位から鹿児島県、茨城県、千葉県の順番、3県で全国生産量の70%のシェアとなります。

 

私は山口県に住んでいますが、中国地方や隣の福岡県では生産がほとんどないので、鹿児島や関東から山口県のスーパーまではるばる運ばれて来ているということです。

 

やはり、物流コストが上乗せされています。

 

さつまいもは地産地消すれば解決! 

さつまいもの生産量が一定の県に偏っているのはなぜでしょう?それには地質が関係しています。

 

40%近くの生産シェアを持つ鹿児島県は、新燃岳桜島といった火山があり、火山灰が降り注ぐ地域です。土に火山灰が混ざっていると水はけが良くなり、さつまいも栽培に最適な地質となります。茨城県や千葉県も何かしらさつまいもが育ちやすい地質が関係しているものと思われます。

 

しかし!

山口県で農業初心者が初めてにも関わらず、さつまいもを無事に育てることができました。水はけの良い地域で、畑の水はけを良くすれば、さつまいもを育てることは難しくありません。

 

山口県で育て山口県で売ることができれば、物流コストを抑えることができますので、他県のさつまいもとの価格競争に勝つことができます。

 

品種と味で勝負!

物流コストを抑え販売価格を下げることができるとわかれば、あとは味が勝負です。品種ごとに甘みや食感に特徴がありますので、ウケの良い品種をきちんと生産する力が求められます。

 

食用に限らず、芋焼酎や欲し芋に使う加工用品種などもあります。品種と味で差別化を図ることが大事ですが、ここは個々人のセンスに委ねられます。

 

さつまいもの販路は見つかるのか?

販路については、JAを通しても良し、市場に直接出しても良し、ドラッグストアに置かせてもらっても良し、色々な場所と方法があります。

 

あまりに大量に余ってしまいそうであれば、ネット販売も可能です。通販サイトがなくても、今ならメルカリで野菜販売もできます。

 

営業努力は必要ですが、工夫次第で販路を拡げることが可能と考えます。

 

最後に

 農業が好きなら、さつまいもが好きなら、時間があるなら、さつまいも農家という選択肢もありだと感じました。

 

もちろん、始める前の収支シミュレーションは欠かせませんし、さつまいも栽培をビジネスとして突き詰めて考えると、もっと複雑で厄介なことが発生する可能性も高いことは想定に入れるべきですけどね。

 

私は市民農園を借りており、営業目的での栽培は禁止されています。

 

すぐにはさつまいも農家になれませんが、近所で畑が余っていたり借りることができるなら、始めてみたいと考えています!

 

 

これまでに栽培した野菜の栽培記録はこちら。